外見と中身はちと違う

中田良知  vs  先 井上泰子

                           高野圭介 観戦記

2007.10.15 於 いずみ碁ジャパン
156手以下略  和局

きつうきつう
打ちはる

中田さん・井上さんは
東男に京女ではなく、共に京都生まれの京都育ち。
そうそう、京・京ならば、言わなくても分かるエクセレント。
とは言え、外見と中身はちと違う。

やさ男にやさ女の碁で、やわの碁になるか、と予想していたら、

とんと違ごうとりおして、きつうきつう打ちはりまっっせ。まあ、見よし。

指運は持碁。  
黒63は大いなる逸機。
66から出て、白をキッて行けば、白はたちまち破綻。
朝の紅顔夕べの白骨となるところだった。

黒87は剛力無双だが、一つ違えば蛮力のところ。折角の好局をフイにした。

ところが、
黒125から始まった猛烈な大ヨセから白は受け一方の防戦に入り、
あわや逆転!と追い込んだが、一歩及ばず、指運は持碁。

うーーん。めでたしめでたし。



棋力よりも
気力勝負


白がヨセから気が抜けて、天の岩戸に引っ込んだ気の弱さは、
到底あずま男にはなれないかもね。

黒は自分で転けて、自分で抱き起こし、獅子奮迅の一人碁かな。
この一局、碁も碁だが、棋力よりも気力勝負と見た。